転職面接での退職理由の伝え方|面接官が納得するポイントとは

中途採用の面接では、前職や現職の退職理由を必ずといっていいほど質問されます。ただ、何かしら不満があって退職を決意した場合でも、「職場の人間関係に悩みがあった」「給料や福利厚生に満足できなかった」などのネガティブな理由をそのまま伝えると、面接官にマイナスの印象を与える恐れがあります。
では、どのように伝えるのが良いのでしょうか。
今回は、面接官が退職理由を質問する目的や、面接官の納得感を高めやすい伝え方についてご紹介します。

<目次>
1. 退職理由を尋ねる面接官が知りたいこと
2. 退職理由をまとめる際のポイント
3. 退職理由を話す際の注意点
4. 退職理由の具体例
5. ネガティブな退職理由は、ポジティブに言い換えを

退職理由を尋ねる面接官が知りたいこと

志望動機と並んでよく聞かれる退職理由。では、退職理由の質問を通して、面接官は何を把握しようとしているのでしょうか。

●すぐに辞めないか
面接官が最も確認したい点のひとつは「前職も短期間で退職していないか」「安易な理由で辞めていないか」ということです。
そのため、「思っていた仕事内容と違った」「配属された勤務地が遠い」などの理由を挙げると、「またすぐに不満を感じて、辞めてしまうのではないか」と思われる恐れがあります。
転職経験が複数回あるうえに在職期間が短い人は、特に「同様の理由で退職しないか」という点をチェックされやすいでしょう。

●社風に合うか
前職と同業種の企業に転職する場合、仕事内容だけでなく、職場環境や雰囲気も似ている可能性があります。退職理由によっては、面接官に「自社の社風にも合わないのではないか」と思われてしまうかもしれません。

●問題を他責にする傾向はないか
責任感を持って仕事に取り組めるのか、ストレス耐性はあるのかといった点を確認する意図もあります。
例えば「やりたいと思っていた仕事ができなかった」「タスク量が多すぎた」などの理由を挙げると、「入社後も同様の理由で諦めてしまうのではないか」「今後も自ら努力して成長することは難しいのでは?」と思われる恐れがあります。
ほかにも「自分に対する上司の評価が不当に低い」など他責傾向の表現が目立つと、「また同じ理由で辞めるのではないか」という印象を与えやすいでしょう。

退職理由をまとめる際のポイント

ネガティブになりがちな退職理由を印象良くアピールするには、伝え方に工夫が必要です。次の3つのポイントを意識すると良いでしょう。

●退職理由と志望動機を結びつける
退職理由は志望動機につなげて伝えられれば、納得感を高められます。
例えば、「仕事内容が合わなかった」「キャリアアップできない環境だった」「会社の方針が合わなかった」などが理由の場合は、「企画開発部への異動を希望したが受け入れられなかった」というように具体的な説明をしましょう。そのうえで、「御社でぜひ企画開発の仕事をしたい」という志望動機につなげれば、退職理由が志望動機の根拠になります。

●前向きな内容にする
「パワハラを受けた」「給与に不満があった」「人間関係のトラブルがあった」などを退職理由として伝えるのは控えましょう。たとえそれが事実でも、面接官には「不平不満が多い人」と受け取られてしまう恐れがあります。そのようなことは伝えず、「今後のキャリアプランを考え、○○の仕事に挑戦したかった」というように、これから挑戦したい仕事の内容を具体的に説明するなど、前向きさをアピールすると良いでしょう。

●ハキハキと話す
話す内容が退職理由であっても、ハキハキとわかりやすく話すことは大事です。暗い表情を浮かべてボソボソと小さな声で話すと、「ほかに言いにくい事情があるのではないか?」と思われるかもしれません。

退職理由を話す際の注意点

ポジティブに伝えているつもりでも、表現の仕方によっては評価を下げてしまうこともあります。具体的なNG表現を参考に、退職理由の内容を工夫しましょう。

●前職に関する不満や愚痴、批判を言わない
前職がいわゆるブラック企業だったとしても、批判や愚痴を面接の場で話すのはNGです。「社長がワンマンで社内の風通しが悪かった」「従業員のモラル意識が低かった」などの表現は、陰口を叩く信頼できない人と見られる恐れがあります。また、そのように企業の内情を話してしまう人は、「機密保持に対する意識が低い」と受け取られる可能性もあるでしょう。

●給料や勤務体系を理由にしない
待遇や福利厚生は職場選びの重要なポイントですが、「給料が低い」「なかなか昇給しない」「休みが少ない」などを退職理由として伝えるのは控えましょう。仕事内容より待遇を重視する人だと思われかねません。

●応募先の企業と関連性の強い事柄を入れない
例えば、応募先企業も異動や転勤が多いのに、「異動が多くてひとつのスキルがなかなか身に付かなかった」という退職理由を伝えると、「なぜこの会社に応募したのだろう」と面接官に不信感を与えるかもしれません。
退職理由の中に、応募先の企業にも当てはまる事柄を入れないように、事前の企業研究をしっかりと行いましょう。

退職理由の具体例

ここでは、「人間関係」「会社の将来性」「待遇への不満」という3つの退職理由を取り上げ、前向きな形で伝えるための具体例とポイントをご紹介します。

●人間関係に問題があった場合
「前職も営業職でしたが、個人主義が徹底していて個々に成果を上げることを求められる風土があり、営業同士の情報共有や協力態勢の構築が難しい環境でした。お互いに協力できればもっと良い仕事ができると感じていましたが、一人一人の抱える案件が多いことと、競争を過度に推奨する雰囲気が壁になって実行が難しく、もどかしい思いを抱えていました。
御社の組織営業力の強さは非常に有名です。私ももっと活発にコミュニケーションを取り、『個人の力をチームで活かせる環境で仕事がしたい』という考えから、転職を決意いたしました。」

ポイントは、人間関係の不満を仕事への影響という面で取り上げ、転職の動機につなげていることです。「競争が激しくギスギスした雰囲気が合わなかった」とストレートに表現すると、個人的な不満になってしまいます。環境を変えたかったという理由だけでなく、「コミュニケーションをもっと活発に行いながら仕事をしたい」「チームとして力を合わせて成果を上げたい」というように、前向きな動機があることを伝えましょう。

●会社の将来性に疑問があった場合
「前職では新規事業立ち上げの担当者になり、外部のセミナーに参加して資格を取得するなど、準備を進めていましたが、会社の事業規模の縮小でプロジェクトが中止となってしまいました。私自身は、大きな可能性を感じていたプロジェクトでしたので、身に付けた○○の知識を活かしたいという思いを強く持っています。御社なら自身の知識を活かして業務に貢献できると考え、志望いたしました。」

会社の事業縮小で先行きが不安になったことを理由にすると、安定性を求めて転職先を探していると受け取られる可能性があります。そういう場合は「事業縮小で活用の場がなくなってしまった自分の知識やスキルを活かしたい」など積極的な動機を前面に出して、転職後の仕事への熱意をアピールしましょう。

●待遇に不満があった場合
「前職では新規顧客の開拓を担当しており、部署の月間売上トップも経験しました。しかし、年功序列の企業風土だったため成果が評価につながりにくいという状況がありました。営業職は自分の努力が成果につながる仕事だと思っておりますが、すべての顧客に丁寧な対応を続けるにはモチベーションの維持も不可欠だと考えております。年齢だけでなく、実力、実績を評価してもらえる御社で仕事に邁進したいという考えから転職を決意いたしました。」

待遇や福利厚生への不満を退職理由にするのは印象が良くありません。「給料=仕事への評価」として、「仕事で成果を出したものの見合った評価をしてもらえなかった」という表現に変えましょう。しかし、それだけではまだ待遇への不満という色合いが残るので、「正当な評価が、より良い仕事につながる」と思っていることを伝えると、前向きな表現になります。

ネガティブな退職理由は、ポジティブに言い換えを

面接官は、応募者がなぜ前職を辞めて自分の会社に転職しようとしているのかを気にします。前職の不満を前面に押し出すような退職理由は面接官に敬遠されますので、これからどんな働き方をしたいのかを自己分析したうえで、志望動機と結びつけてポジティブな伝え方ができるように工夫しましょう。自己分析をしても前向きな退職理由を思いつかない人は、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談し、アドバイスを受けるという方法もあります。

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